◆ 建設業許可の要件

 許可の基準(許可を受けるための要件) -法第7条・法第8条・法第15条-

 許可を受けるためには、次の資格要件を備えていることが必要です。

  ・経営業務の管理責任者が常勤でいること。

  ・専任技術者を営業所ごとに常勤でおいていること。

  ・請負契約に関して誠実性を有していること。

  ・請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること。

  ・欠格要件等に該当しないこと。

  ・暴力団の構成員でないこと。


(許可基準の表)

項目 一般建設業 特定建設業
1 経営業務の管理責任者

法人では常勤の役員(株式会社若しくは有限会社の取締役、委員会設置会社の執行役、持分会社の業務を執行する社員又は法人格のある各種の組合等の理事等をいう)のうち1人が、また、個人では本人又は支配人のうち1人が右のいずれかに該当すること。

※「役員」には、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長は含まれない。

     -法第7条第1号-          -法第15条第1号- 


イ 許可を受けようとする建設業(業種)に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

 

ロ イと同等以上の能力を有するものと認められた者

(平成19年3月30日国総建第395号「経営業務の管理責任者の大臣認定要件の明確化について」(http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000192.html)参照

 

① 許可を受けようとする建設業(業種)に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者

 

a 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験(事前に係員に相談)

 

b 7年以上経営業務を補佐した経験(事前に係員に相談)

 

② 許可を受けようとする建設業以外の建設業(業種)に関し7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

 

③ その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者    

2 専任技術者 すべての営業所に、右のいずれかに該当する専任の技術者がいること。

   ー法第7条第2号ー

 

 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者

 

イ 学校教育法(下段〈参考〉参照)による高校(旧実業学校を含む)指定学科卒業後5年以上、大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者

 

ロ 10年以上の実務経験を有する者(学歴・資格を問わない)

 

ハ イ、ロと同等又はそれ以上の知識・技術・技能を有すると認められた者

① 指定学科に関し、旧実業学校卒業程度検定に合格後5年以上・旧専門学校卒業程度検定に合格後3年以上の実務経験を有する者

 

② 資格区分に該当する者

 

③ その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

       ー法第15条第2号ー

 

        同     左





イ 許可を受けようとする建設業(業種)に応じて国土交通大臣が定めた試験に合格した者又は建設業(業種)に応じて国土交通大臣が定めた免許を受けた者

 

ロ 法第7条第2号イ・ロ・ハに該当(左欄参照)し、かつ元請として消費税を含み4,500万円以上の工事(平成6年12月28日前にあっては消費税を含み3,000万円、さらに昭和59年10月1日前にあっては1,500万円以上)に関し、2年以上の指導監督的な実務経験を有する者

 

ハ 国土交通大臣が、イ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者

 

指定建設業(許可の区分ポイント6.参照)については、上記のイ又はハに該当する者であること。







3 誠実性 請負契約に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者ではないこと。

   ー法第7条第3号ー

 

 法人・役員、個人事業主、建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人・支店長・営業所長等)が左に該当すること。

       ー法第15条第1号ー


       同     左


 

      

4 財産的基礎等 請負契約を履行するに足る財産的基礎等のあること。

   ー法第7条第4号ー

 

次のいずれかに該当すること。

① 自己資本が500万円以上あること。

② 500万円以上の資金調達能力があること。

③ 直前5年間知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在知事許可を有していること。

       ー法第15条第3号ー

 

 次の全ての要件に該当すること。

① 欠損の額が資本金の20%を超えないこと。

② 流動比率が75%以上であること。

③ 資本金が2,000万円以上あること。

④ 自己資本が4,000万円以上あること。





5 その他 欠格用件等

                ー法第8条ー

 

 欠格要件(主な欠格要件は以下のとおり)に該当する者は、許可を受けられません。

1 許可申請書若しくは添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。

2 法人にあってはその法人の役員、個人にあってはその本人、その他建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人・支店長・営業所長等)が、次の要件に該当しているとき。

① 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ない者

② 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者

③ ②に該当するとして聴聞の通知を受け取った後、廃業の届出をした場合、届出から5年を経過しない者

④ 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき、あるいは請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

⑤ 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

⑥ 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者


 

(1) 「経営業務の管理責任者」の要件

ア 「経営業務の管理責任者としての経験を有する者」とは、法人の役員又は委員会設置会社における執行役、個人の事業主又は支配人(支配人登記されているものに限る)、建設業法施行令第3条に規定する使用人(支店長、営業所長)として、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理・執行した経験を有する者をいいます。

 「経営業務の管理責任者」は常勤であることが必要です。「常勤」とは、原則として本社、本店等において、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事していることをいいます。

☞ ポイント

  1. 法人の役員とは、株式会社又は特例有限会社の取締役、委員会設置会社の執行役、持分会社(合名会社等)の業務を執行する社員、法人格のある組合の理事などをいい、執行役員、監査役、会計参与、監事、事務局長等は役員に含まれません。
  2. 役員として登記簿に登記されていても、非常勤又は未成年であった期間については、経営業務の管理責任者としての経験には含まれません。

イ 2つ以上の業種の許可を申請する場合、それぞれの業種について許可基準の表1のイに該当する者、又はいずれかの業種について表1のロ②に該当する者は、1人でそれぞれの業種の経営業務の管理責任者を兼ねることができます。

 

ウ 許可基準の表のロ① a「執行役員等としての立場で5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験」とは取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に選任した経験をいいます。ロ① b「経営業務を補佐した経験」とは、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務に、法人の場合は役員に次ぐ職制上の地位にある者として、個人の場合は当該事業主を補佐する地位にある者として、従事した経験をいいます。

 

b の例

   法人の場合 → 経営部門の取締役に次ぐ地位にいた者(大企業の営業部長、工事部長等)

 

   個人の場合 → 許可を受けている個人事業主の子や配偶者

 

※申請する場合は、あらかじめ申請窓口で要相談

 

エ 「経営業務の管理責任者」は、建設業の他者の技術者及び他の法令により専任性を要するとされる管理建築士、宅地建物取引主任者等と兼ねることはできません 。ただし、同一法人で、同一の営業所である場合は、兼ねることができます。

 

 

(2) 「専任技術者」の要件

ア 専任技術者とは、その営業所に常勤して、専らその業務に従事することを要する者で、許可基準の表2に掲げた基準を満たす者をいいます。

 

イ 2以上の業種の許可を申請する場合で、技術者の資格表のそれぞれの基準を満たす者がいるときは、同一営業所内であれば当該業種の「専任技術者」を兼ねることができます。

 

ウ 「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の双方の基準を満たしている者は、同一営業所内において、一人で両者を兼ねることができます。

 

エ 「専任技術者」は、建設業の他者の技術者及び管理建築士、宅地建物取引主任者等、他の法令により専任性を要するとされる者と兼ねることはできません。ただし、同一法人で、同一の営業所である場合は、兼ねることができます。

 

オ 「実務経験」とは、許可を受けようとする建設工事に関する技術上の経験をいい、建設工事の施工を指揮・監督した経験及び建設機械の操作等によって実際に建設工事の施工に携わった経験はもちろん、これらの技術を修得するためにした見習中の技術的経験を含まれます。

 ただし、工事現場の単なる雑務や事務系の仕事に関する経験は含まれません。

 

カ 特定建設業で必要になる「指導監督的実務経験」とは、建設工事の設計又は施工の全般について、元請として工事現場主任又は工事現場監督のような資格で工事の技術面を総合的に指導した経験をいいます。

 

キ 次の7業種については、施工技術の総合性を考慮して「指定建設業」と定められているため、特定建設業の許可を受けようとする場合の専任技術者は、一級の国家資格者、技術士の資格者又は国土交通大臣が認定した者でなければなりません。

土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、ほ装工事業、造園工事業

☞ ポイント

  1. 複数の業種の「専任技術者」の要件を満たしている者は、同一営業所の複数の業種の「専任技術者」を兼ねることができます。
  2. その営業所に常勤して、専らその業務に従事する者をいいますから、他社の常勤役員等である場合は、原則として専任技術者として認められません。
  3. 「専任技術者」は営業所に専任であることから、工事現場と営業所が近接しており現場専任を要しない工事を除いて、建設工事の主任技術者又は監理技術者になることはできません。


〈参考〉学校教育法第1条の分類による専任技術者の要件

高等学校 全日制、定時制、通信制、専攻科、別科

指定学科卒業

実務経験5年

中等教育学校 平成10年学校教育法の改正により創設された中高一貫教育の学校

大学

短期大学

学部、専攻科、別科

指定学科卒業

実務経験3年

高等専門学校

学科、専攻科

(注) 実務経験で2業種以上申請する場合は、1業種ごとに10年以上の経験が必要です。期間を重複することはできません(2業種と申請する場合は20年以上必要です)。

実務経験要件の緩和(異なる業種間での実務経験の振替え)はご相談ください。

 

(3) 「誠実性」

 「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行に際して、法律に違反する行為、例えば、詐欺、脅迫、横領、文書偽造等を行うこと。

 「不誠実な行為」とは、工事内容・工期等について請負契約に違反する行為をいいます。

 建設業法・建築士法・宅地建物取引業法等で「不正」又は「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取消処分を受け、あるいは営業の停止等の処分を受けて5年を経過しない者は、誠実性のない者として扱われます。

 また、暴力団員の構成員である場合には、許可はできません。



(4) 「財産的基礎等」

ア 一般建設業の財産的基礎

a  「自己資本」とは、法人では貸借対照表「純資産の部」の「純資産合計」の額をいい、個人では期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額をいいます。

b  「資金調達能力」については、取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書(基準日(「○月○日現在」)後1ヶ月以内有効)により判断されます。


財産的基礎の要件
法人
  1. 直近決算の貸借対照表における自己資本額が500万円以上である。
  2. 主要取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書又は融資証明書(証明日が申請書の受付日から起算して前3ヶ月以内のもの)がある。
  3. 直前の5年間許可を受け、継続して営業した実績がある。

 

※上記1~3のいずれかに該当すること

個人
  1. 主要取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書又は融資証明書(証明日が申請書の受付日から起算して前3ヶ月以内のもの)がある。
  2. 直前5年間許可を受け、継続して営業した実績がある。


※上記1~2のいずれかに該当すること

 

イ 特定建設業の財産的基礎

申請時直近の貸借対照表において、次の全ての事項に該当していることが必要です。(※更新の際に財産要件を満たしていない場合、新たに一般建設業許可を申請する必要があります。(この場合は廃業届を提出する必要はありません))

a  申請時直近の確定した貸借対照表(定時株主総会の承認を得たもの)において、下表の①~④全ての事項に該当していることが必要です。

b  個人の場合は、決算期が未到来の場合のみ、4,000万円以上の預金残高証明書(基準日「○月○日現在」後1ヶ月以内有効)を提出します。

c  欠損比率については、繰越利益剰余金がある場合や資本剰余金(資本剰余金合計)、利益準備金及びその他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の合計が繰越利益剰余金の負の額を上回る場合には、要件を満たしていますので計算式を使う必要はありません。


(特定建設業の計算式)

事項 法人 個人
①欠損比率 繰越利益剰余金の負の額 -(資本剰余金 + 利益準備金 + その他利益余剰金(繰越利益剰余金を除く))/ 資本金 × 100 ≦ 20% 事業主損失 -( 事業主借勘定 - 事業主貸勘定 + 利益留保性の引当金 + 準備金)/ 期首資本金 × 100 ≦ 20%

②流動比率

流動資産合計 / 流動負債合計 × 100 ≧ 75% 流動資産合計 / 流動負債合計 × 100 ≧ 75%

③資本金

資本金 ≧ 2,000万円 期首資本金 ≧ 2,000万円

④自己資本

純資産合計 ≧ 4,000万円 (期首資本金 + 事業主借勘定 + 事業主利益) - 事業主貸勘定 + 利益留保性の引当金 + 準備金 ≧ 4,000万円

※ 個人の場合は、4,000万円以上の預金残高証明書(証明日が申請書の受付日から起算して前3ヶ月以内のもの)を添付します。


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