建築士事務所の情報開示の一環として、建築士事務所の開設者は、設計等の業務に関する報告書を、毎事業年度経過後3ヶ月以内に、都道府県知事に提出することが義務付けられています。
年次業務報告制度は、構造計算偽装事件を受けた建築士法改正の中で、「建築主にとって建築士事務所を選択するための十分な情報開示がなされていない」との反省から、建築士事務所の情報開示の一環としての提出及び知事による閲覧の義務を定め、消費者ニーズに応えていくために創設されたものです。
言い換えれば、年次業務報告は、当該建築士事務所が、どのような業務に実績があるのかを建築主や消費者に情報開示することを目的にしています。
※建築士法第23条の6(設計等の業務に関する報告書)〔平成19年6月施行〕
報告事項は、次の4項目です。
① 当該事業年度における事務所の業務の実績(第二面に記載)
② 所属建築士の氏名等(第三面に記載)
③ 建築士ごとの業務の実績(第四面に記載)
④ 管理建築士の意見の概要(第五面に記載)
※以上に、設計等の業務に関する報告書(第一面)を添えて提出します。
建築士法により、「報告書を提出せず、又は虚偽の記載をして報告書を提出した者」には30万円以下の罰金が科せられます。また、刑事罰とは別に、行政処分としての建築士の懲戒等(建築士事務所に対する監督処分(戒告、業務停止、免許又は登録の取消など))の対象になります。
※建築士法第41条第1項第7号