◆ 建設業関係

 建設業とは -法第2条-

 建設業とは、元請・下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負うことを営業とする実態を有するものをいいます。

 ここでいう請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して、報酬を与えることを約束する契約のことをいいます。類似のものとして雇用、委任及び建売住宅の建築行為などがありますが、これらはここでいう請負にはあたりません。


 建設業の許可 -法第3条-

 建設工事の完成を請け負うことを営業とするには、建設業法(以下、「法」という)第3条に基づき許可を受ける必要があります。元請負人はもちろんのこと、下請負人の場合でも、請負として建設工事を施工する者は、個人でも法人でも許可を受ける義務があります。

 ただし、次に掲げる軽微な建設工事のみ請け負う場合は、許可を受けなくても営業できます。

 

 許可を受けなくてもできる工事(軽微な建設工事)

建設工事の種類 軽微な建設工事にあたるもの

土木一式工事

他26業種 

1件の請負代金が500万円未満の工事 

建築一式工事

次のいずれかに該当する場合

(1) 1件の請負代金が1,500万円(税込)未満の工事

(2) 請負代金の額にかかわらず、木造住宅(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)で延べ面積が150㎡未満の工事


 ※ 請負代金の額は、消費税及び地方消費税の額を含む。

☞ ポイント
  1. 土木一式工事及び建築一式工事の2つの一式工事は、他の26の専門工事とは異なり、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物又は建築物を建設する工事をいい、専門工事が有機的に組み合わさった建設工事等が該当します。したがって建築一式工事のみの許可を受けている場合、一棟の住宅新築工事を請け負うことはできますが、その工事内容である大工工事、屋根工事、管工事、建具工事などの専門工事を単独で請け負う場合は、それぞれの許可が必要になります。
  2. 附帯工事とは、許可を受けた業種の建設工事を請け負う場合に、その建設工事に従として附帯する他の業種の建設工事をいい、一体として請け負うことができますが、その附帯工事が500万円以上である際の施工にあたっては、自ら当該建設工事の許可を受けるために必要な技術者を置いて施工するか、当該建設工事に係る建設業の許可を受けた建設業者に当該建設工事を施工させなければなりません。
  3. 請負代金の額については、正当な理由がないのに工事の完成を分割した場合は合算し、注文者が材料を支給した場合は、その市場価格(運送費を含む)を加えたものになります。  


 許可を受ける建設工事の種類

 建設業の種類は、法律で次のように2つの一式工事と26の専門工事に分類されており、請け負おうとする業種については、許可を受けておかなければなりません。

建設工事の種類

建設業の種類

内容 例示

土木一式工事

土木工事業

原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下に土木工作物を建設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事


橋梁、ダム、空港、トンネル、高速道路、鉄道軌道(元請)、区画整理、道路・団地等造成(個人住宅の造成は含まない)、公道下の下水道(上水道は含まない)、農業・灌漑水道工事を一式として請け負うもの 

建築一式工事

建築工事業

原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下に建築物を建設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事

建築確認を必要とする新築及び増改築




大工工事

大工工事業

木材の加工若しくは取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取り付ける工事

大工工事、型枠工事、造作工事



左官工事

左官工事業

工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又は貼り付ける工事

左官工事、モルタル工事

、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事


とび・土工・コンクリート工事

とび・土工工事業

イ 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事

ロ くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事

ハ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事

二 コンクリートにより工作物を築造する工事

ホ その他基礎的ないしは準備的工事









イ とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事、工作物解体工事

ロ くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事

ハ 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事

二 コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事

ホ 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、道路付属物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事

石工事

石工事業

石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取り付ける工事

石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事




屋根工事

屋根工事業

瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事

屋根ふき工事


電気工事

電気工事業

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事




発電設備工事、送配電線工事、引込工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事(避雷針工事)

管工事

管工事業

冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事


冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事、(配水小管)

タイル・れんが・ブロック工事



タイル・れんが・ブロック工事業



れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事

コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事


鋼構造物工事

鋼構造物工事業

形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事


鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事 

鉄筋工事

鉄筋工事業

棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事 鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事、ガス圧接工事

ほ装工事

ほ装工事業

道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等によりほ装する工事 アスファルトほ装工事、コンクリートほ装工事、ブロックほ装工事、路盤築造工事 

しゆんせつ工事

しゆんせつ工事業 河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事

しゅんせつ工事


板金工事

板金工事業

金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事

板金加工取付け工事、建築板金工事



ガラス工事

ガラス工事業

工作物にガラスを加工して取付ける工事

ガラス加工取付け工事


塗装工事

塗装工事業

塗料、塗材等を工作物に吹付け、又は貼り付ける工事


塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事 

防水工事

防水工事業

アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事

(※建築系の防水のみ)

アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事

内装仕上工事

内装仕上工事業

木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事

インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事


機械器具設置工事

機械器具設置工事業

機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事

(※組立て等を要する機械器具の設置工事のみ ※他工事業種と重複する種類のものは、原則その専門工事に分類される)


プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事(ガスタービンなど)、集塵機器設置工事、トンネル・地下道等の吸排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事

熱絶縁工事

熱絶縁工事業

工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事



冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事

電気通信工事

電気通信工事業

有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事


電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備工事
造園工事 造園工事業 整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事

植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事


さく井工事 さく井工事業 さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事 さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
建具工事 建具工事業

工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事




金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事
水道施設工事 水道施設工事業 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事

取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事




消防施設工事 消防施設工事業

火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事






屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、非難橋又は排煙設備の設置工事
清掃施設工事 清掃施設工事業 し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事 ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事


 許可の種類 (知事許可と大臣許可)と営業所の要件 -法第3条-

 建設業の許可には、知事許可と大臣許可があります。

 

 都道府県知事許可 ⇒ 1つの都道府県内にのみ営業所を設ける場合

 

 国土交通大臣許可 ⇒ 2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合

 

 建設工事自体は営業所の所在地に関わりなく、他道府県でも行うことができます。例えば東京都知事から許可を受けた建設業者は、東京都内の本支店のみで営業活動を行えますが、その本支店で締結した契約に基づいた工事は、営業所のない他道府県でも行うことができます。

 大臣許可に該当するかどうか不明な場合は、当事務所にご相談ください。

☞ ポイント

 建設業法でいう「営業所」とは本店、支店、又は常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、一般的には次の要件を備えているものをいいます。

  1. 外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の実体的な業務を行っていること
  2. 電話、机、各種台帳等を備えていること
  3. 契約の締結等ができるスペースを有し、かつ、居住部分、他法人又は他の個人事業主とは間仕切り等で明確に区分されているなど独立性が保たれていること
  4. 営業用事務所としての使用権原を有していること(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること(住居専用契約は原則認められません))
  5. 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してあること
  6. 経営業務の管理責任者又は建設業法施行令第3条に規定する使用人(建設工事の請負契約締結等の権限を付与された者)が常勤していること
  7. 専任技術者が常勤していること

 したがって、単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所等は、営業所に該当しません。

 申請書の受付後に、営業所の要件を満たしているか、立入り調査が行われることがあります。


 許可の区分 (一般建設業と特定建設業) -法第3条-

 建設業の許可は、一般建設業特定建設業に区分されています(同一業種について、一般と特定の両方の許可は受けられません。別業種であれば可能です)。

 発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、当該工事に係る下請代金の総額が一定額以上となる場合は、特定建設業許可が必要となりますが、その他の場合は一般建設業許可で営業することができます。

 ※ 一定額とは 3,000万円(ただし、建築一式工事は4,500万円。複数の下請業者に出す場合は、その合計額)(消費税込)

☞ ポイント

  1. 一般建設業、特定建設業とも請負額に制限はありません。
  2. 同一の建設業者が、ある業種については特定建設業許可を、他の業種については、一般建設業許可を受けることができますが、許可通知書は2枚になり、手数料も別々に必要となります。(提出する申請書は一部です)
  3. 特定建設業は、下請負人保護のための許可制度として許可要件が加重されているほか、下請負人に対する保護、指導、請負代金の早期支払及び施工体制台帳の作成などさまざまな義務が課せられています。
  4. 一次下請人が二次下請人に、3,000万円以上の工事を下請施工させる場合は特定建設業許可は不要です。
  5. 契約書等において事前に、発注者(施主)の承諾を得た場合以外は、工事の全部を下請に出すことはできません(法第22条)。また、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」では、公共工事における一括下請が禁止されていますので、ご注意ください。なお、一括下請の禁止は二次以降の下請にも同様に適用されます。
  6. 次の7業種については、「指定建設業」と定められているため、特定建設業の許可を受けるための専任技術者は、一級の国家資格者、技術士の資格者又は国土交通大臣が認定した者でなければなりません。

(土木工事業・建築工事業・管工事業・鋼構造物工事業・ほ装工事業・電気工事業・造園工事業)


 許可の有効期間 (5年間) -法第3条-

 許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって満了となります。許可の有効期間の末日が日曜日等の行政庁の休日であっても同様の取扱いになります。

 したがって、引き続き建設業を営むため、許可の更新を受けようとする方は、期間の満了する日の30日前までに、更新の許可申請書を提出することが必要です。手続きを取らなければ期間満了とともに、許可はその効力を失い、軽微な工事を除き営業をすることができなくなります。許可通知書に許可の有効期間、更新申請を行う場合の書類提出期限の記載がありますので、ご参照ください。

 申請書類は期間満了日の3ヶ月前から提出可能です。

 なお、更新申請が受理されていれば、有効期間の満了後であっても許可等の処分があるまでは、従前の許可が有効です。



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